Q. ものの価格はどうやって決まるのか?
A. 誰も決めていない。「買いたい人」と「売りたい人」の綱引きが自然に落ち着いた点が、価格になる。
買い手の行動——需要曲線(D)
みかんが1個10円なら大量に買う。1個1,000円なら買わない。価格が安いほど買いたい量が増える——これが需要の基本だ。
グラフにすると「右下がりの線」になる
売り手の行動——供給曲線(S)
みかんが1個1,000円で売れるなら農家はたくさん作る。10円にしか売れないなら作る気にならない。価格が高いほど作りたい量が増える——これが供給の基本だ。
グラフにすると「右上がりの線」になる
2つが交わる点が「市場価格」になる
需要曲線(D)と供給曲線(S)が交わる点が「均衡点」だ。このとき「買いたい量」と「売りたい量」がちょうど一致する。その価格がP*、その取引量がQ*になる。
なぜこの点に落ち着くのか?
P*より高い価格では売れ残りが出る。売り手は値下げする。P*より低い価格では品不足になる。買い手が値上がりを受け入れる。こうして自然にP*に向かって収束していく。
価格はなぜ変わるのか——曲線のシフト
需要か供給のどちらかが変わると、曲線が動く(シフトする)。均衡点が移動し、価格が変わる。
台風でみかんが不作になった
供給が減る → 供給曲線が左にシフト → 均衡点が上へ → 価格が上がる
「価格が上がる」のはどこで?
スーパーの店頭ではすぐに値上がりしないことが多い。代わりに品切れになる。価格が実際に動くのは卸売市場(豊洲などの競り)だ。台風の翌日、野菜の競り値が跳ね上がる——その変化が数日〜1週間後にスーパーの店頭価格に反映される。
身近に「供給減 → 価格上昇」が見えやすい例はガソリンスタンド(原油価格に連動して週単位で変わる)や航空券(空席が少ない便ほど高い)だ。
新技術で安く作れるようになった
供給が増える → 供給曲線が右にシフト → 均衡点が下へ → 価格が下がる
みかんが健康に良いとブームになった
需要が増える → 需要曲線が右にシフト → 均衡点が上へ → 価格が上がる
誰も「この価格にしよう」とは決めていない
市場参加者それぞれが「この値段なら買う/売る」と判断した結果、価格が生まれる。みかんでも、家賃でも、給料でも、株でも——価格はすべてこの仕組みで決まっている。