お金の基本

Q. 経済を「回す」とはどういうことか?

A. 「誰かの支出=誰かの収入」という連鎖を止めないことだ。お金が動くたびに誰かの収入になり、その人がまた使うことで次の誰かの収入になる。

「一方的に使うだけ」に感じるのはなぜか

給与をもらって生活費として使う——この経験だと、お金は「入ってきて出ていくだけ」に見える。しかし自営業者や商店主の視点だと違う。

サラリーマンの体験

給与が入る(月1回)→ 生活費として使う(毎日)。「稼ぐ」と「使う」が別の行為に感じられ、循環が見えにくい。

商店主の体験

商品を売る(毎日)→ お金が入る(毎日)→ 仕入れる(毎日)。収入と支出が同じリズムで動くので循環が体感しやすい。

サラリーマンも循環の中にいる——ただし一段抽象的

サラリーマンが売っているものは労働力だ。ただし会社という中間レイヤーを通して売っている。

あなたの労働会社が製品・サービスに変換誰かが買う会社の売上あなたの給与

「誰かがあなたの商品を買う」に相当するのが、誰かがあなたの会社の製品を買うことだ。循環に参加していないのではなく、見えにくい形で参加している。

「誰かの支出=誰かの収入」は常に成立する

これは理念ではなく、経済学上の恒等式だ。あなたがコンビニで500円使えば、コンビニの売上が500円増える。そのコンビニがアルバイトに時給を払えば、アルバイトの収入になる。

Aさん・Bさん・Cさんの循環

AさんがBさんから買う → BさんがCさんから買う → CさんがAさんから買う

3人の「支出の合計」= 3人の「収入の合計」。お金の総量は変わらないが、全員が潤う。

逆に言えば、支出が止まると、その分だれかの収入が消える。

みんなが同時に財布を締めると何が起きるか

「将来が不安だから節約しよう」と全員が同時に思うと、こうなる。

消費が減る企業の売上が減る給与・雇用が減るさらに消費が減る

個人にとって合理的な「節約」が、全員が同時にやると経済全体を縮ませる。これを「合成の誤謬」と呼ぶ。デフレ不況の正体でもある。

「経済を回す」とは

お金を動かし続けること、それだけだ。誰かが使うたびに誰かの収入になり、その人がまた使う——この連鎖が続く限り、経済は動いている。政府が不況時に支出を増やすのも、民間の消費が止まったときに「代わりにお金を動かす」ためだ。