Q. 国債の「含み損」とは何か?——満期まで持てば損にならないのはなぜ?
A. 国債の「損」には二種類ある。金利上昇による含み損は満期まで持てば消える。高値で買いすぎた損は満期に確定する。混同されやすいが、仕組みはまったく違う。
含み損とは何か
額面10,000円・クーポン2%の国債を、額面通り10,000円で買ったとする。その後、市場の金利が4%に上昇した。
新しく発行される国債は10,000円で400円の利息がもらえる。一方、手元の国債は200円しかもらえない。だから市場では「せめて安くしてよ」となり、価格が下がる。
「売るまで損失にならない」の本質
持ち続ければ、満期に額面が戻ってくる。金利上昇による含み損は、満期まで持てばそもそも損にならない。「売るまで」ではなく「満期まで持てば消える」がより正確な表現だ。
含み損と混同されやすい「プレミアム損」
これとは別に、額面より高い価格で買ってしまった場合の損がある。
例えば、日銀がYCC(長短金利操作)で金利を抑えていた時代、市場では「低金利のままならこの国債には価値がある」と判断され、国債価格が額面を上回った。日銀はその高値でも買い続けた。
クーポン収入 +200円
プレミアム償却 △300円(3,000円÷10年)
毎年100円の赤字
プレミアム損は満期に消えない。「高く買いすぎた分」は取り戻せない。
二種類の損を整理する
日銀の「含み損」として報道されているのは主に前者。満期まで持てば損にはならない。後者のプレミアム損は規模が小さく、毎年の償却で少しずつ処理されていく。