Q. 名目賃金、実質賃金って何?【2024年】
A. 簡単に言うと、名目賃金は「給与明細に書かれた数字」、実質賃金は「それで実際に何がどれだけ買えるか」だ。たとえば給料が3%上がっても、食費・光熱費などの物価が5%上がっていれば、手元のお金で買えるものは前より少なくなる——これが実質賃金の低下だ。
実質賃金 = 名目賃金 ÷ 物価指数 × 100
例:名目賃金が5%上がっても、物価が7%上がれば実質賃金は約2%下がる
日本の名目・実質賃金の推移(2021年=100)
出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」をもとに概算。2024年は推計値。
2022〜2024年:名目は上がっても実質はマイナスが続いた
2024年の春闘では33年ぶりの大幅な名目賃上げ(大企業平均+5.28%)が実現したが、食料・エネルギーを中心とした物価上昇がそれを上回り、実質賃金は2022年から3年近くマイナスが続いた。
実は「公式の実質賃金」より手取りはもっと悪い
公式の実質賃金は額面(総支給)ベースで計算される。しかし額面が3%上がっても、増えた分には所得税(累進課税)と社会保険料がかかるため、手取りの増加は2%程度にとどまることが多い。物価が5%上がっていれば、実際の購買力は公式数値(-2%)よりさらに悪い-3%前後になる。
賃上げが「本物」になる条件:実質賃金がプラスに転じるには、名目賃金の上昇率が物価上昇率を継続的に上回る必要がある。2025年以降、その実現が経済政策の焦点になっている。